さびしくはない
みんなここにいる
すがたかたちはかわったけれど
いまもみんなここにいる
すっくと立って
もう せのびをはじめている
またここからはじめたらいい
このままここからはじめたらいい
春にはいくらか花がさく
5年か10年たったらちいさな木かげができる
50年たったらもとにもどる
もとのしあわせなしあわせなこうえんにもどる
そのころにはきっとまた
わたしのかけらがここにくる
木かげのべんちでひるねするひとを見ながら
くじら山のうえでふたり話すひとをよこめに見ながら
花のまう風をおうこどもたちを見ながら
ほかのかけらのみなさんといっしょに
きっとまた 花のうたをうたう
ここからはじめたらいい
冬はもう すぐおわる
いくらかのこったさくらのつぼみが
ぶらんこのとなりで春をまっている