この春から夏にかけて、新聞でここの桜の話を見た
糟屋郡新宮町の三代の桜並木
工事で伐採されるのを地元の方々が悲しんでいる声が紙面で取り上げられていたのだった
気になっていた ようやく先日現地を訪ねた
詳しい場所は知らなかった 歩いていると道沿いに桜が立ち並ぶそばに工事予定の立札があり、そこから小径が林の中へ伸びていた この小径だろうかと入っていった
小径を挟むように桜が続いていた ここに違いないと思った
コンクリート壁の小川が流れる
その向こう側は山が大きく切り開かれていた
くすのきが立っていた 細くて高いので、まわりが茂っていく中で急いで伸びていったのだろうか このあたり、こんもりした山の森だったのではないかと想像した
土手の下は葛などが一面茂っていた カンナが咲いていた
たまたまお会いした方と話をした ここの桜は青年団で植えたものだそう その方は桜が残るのかどうかはご存じでないご様子だった
小径には、カラムシ、ミツバ、オオバコ、ヨメナ、トウバナなどの草が茂り、いろんな虫たちが飛んだり跳ねたり歩いたりしていた
ヒメウラナミジャノメのよう
フキバッタの仲間かと思う
緑豊かな小径 おだやかなようでもあり、にぎやかなようでもあり
山肌の地色は迫ってくるものの
しあわせな小径だと感じた
一帯は区画整理事業が進められているらしい
町が公開している図面ではこの一帯がどうなるかはおおまかにしかわからない
この小径の横に流れる小川を活かす意味で、この小径を現在に近い状態で親水緑道みたいな位置付けをして残すことも、考え方しだいで可能ではないだろうかとも思う
少し離れた場所からこの小径のほうを眺めた
春にはここに一列に、緑色ではなく花色の木々が並んでいるのだと想像すると、ここの桜が地域の方々の心の風景になっているのではという気がとてもした
また訪ねたくなっている 桜の花の頃でなくても、草、木、虫、鳥、何かにどなたかに出会えそうな気がする
【追記】2024年4月3日
3月31日に現地を訪ねたところ、桜の一帯を含む広い範囲で造成工事が進められていた。桜並木は、入り口の道路沿いの数本を残して無くなっていた。
たまたま地元の方にお目にかかり、事情を少しうかがった。その方は残念がっておられた。
桜並木一帯の写真は載せないでおくことにする。今後考えが変わるかもしれないが、いまはその写真でなく、残っている桜の写真を載せたい。