新・とおりみち通信

〜 出歩きあるばむ 〜

春日の森で切り株に出会う(鹿にも)

切り株にヤマゴボウ

5月22日〜24日 奈良市春日公園春日大社
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5月22日から24日まで奈良に滞在していました。
あまり時間の融通がきかなかったのですが、合間を見て春日の森を歩きました。

俳人の橋本多佳子さんが書かれた随筆「椎の実」では、春日の森に句を作りに行き、そこで鹿や木々や子どもたちと出会って交歓する様子が描かれています。
それを読んでいったいどんなところだろうと想像していたのですが、たまたま私自身が奈良に行くことになり、それでは行かねば、ということで、行ってみました。

春日大社への参道を行き、随筆のとおりに右にそれます。
飛火野(とびひの)という野原に出ます。



小川も流れています。


その奥へ歩くと、これも随筆のとおり、羊歯がたくさん現れました。



昨年は京都の御所で木の切り株に出会いましたが、ここでもいろいろな切り株に出会いました。




しばらく歩くと、「鹿苑」にたどりつきました。お昼なのでおにぎりを食べようと、手ごろな切り株を見つけて、腰を下ろします。

近くを鹿が歩いていて、餌を探している様子でした。

私が座って食べようとすると、やってきました。たいへんに欲しげです。コンビニのおにぎりなので梅とか海苔とか入っていて、食べさせてよいのかどうかわからなかったのですが、あたりさわりなさそうなところを少しだけちぎってやると、かぷりと食べました。
おなかをこわしていないことを祈ります…。
鹿せんべいを買っておけばよかったです…)

せっかくなので近くから写真をと思い、ちょっといいかな?とカメラを向けると、露骨に嫌そうな顔をして、さっと立ち去って行きました。


ごめん。


翌日・翌々日も春日の森をさすらいます。


このあたりの写真は以前の記事で載せました。
イチイガシ(一位樫)の原生林とのことです。



雨の中、切り株はそれぞれの表情でたたずんでいました。



多佳子の随筆では子どもたちが椎の実を叩いて落としたり、すすきの穂を投げて遊んでいました。今は少し違うのかもしれません。

春日の森はなかなか深い森でした。でも、どこか優しい、なにかのまなざしのようなものを感じる森でした。

町へと戻って行きます。


2010年5月 春日の森で切り株に出会う(鹿にも)
(8月21日少し書き直しました)