新・とおりみち通信

〜 出歩きあるばむ 〜

麦野公園の植物について

 
 旧・麦野公園が廃止されてまもなく3か月になります。いまは道路沿いの斜面が青々としています。たぶん種子の吹付工が行われたのだと思います。そのそばで、今回の工事では撤去に着手されなかった階段に、例年と同じようにたんぽぽが咲いています。
 
 麦野公園の廃止に前後してソメイヨシノの枝を譲り受けた件を、このブログの記事で何度か取り上げました。そのほかに、公園に植えられていた・生えていた樹木の、実・小枝・幼苗を採集していましたので、そのことを書いておきたいと思います。
 実などを採集したのは次の樹木です。( )内が採集したものです。実や小枝のほとんどは落ちていたものを拾ったものです。
 
 あおぎり(実)
 いちょう(実)
 えのき(小枝)
 からみざくら(小枝)
 くすのき(実)
 けやき(実・小枝)
 しゅろ(実)
 ちしゃのき(実)
 つつじ(小枝)
 ひいらぎ(小枝)
 ひいらぎもくせい(小枝)
 メタセコイア(小枝・幼苗)
 
 このうち、いちょうを除く各樹木の実をポットに蒔き、小枝を挿し木にして様子を見ています。実のほうはどの樹木もまだ発芽が見られません。挿し木のうち、からみざくら・けやき・つつじは冬芽が殻割れしたり新葉が生えたりしていますが、ほかの挿し木は変化が見られません。メタセコイアの幼苗は元気だったのですが、根を虫に喰われてしまい、いまは厳しい状況が続いています。
 ソメイヨシノの枝も挿し木にしています。公園にあったソメイヨシノに便宜的に番号をあてていて、西鉄線路沿いの3本の木のうち雑餉隈駅寄りの木が「1」、真ん中の木が「2」、井尻方面寄りの木が「3」、筑紫通り沿いの3本の木の西鉄線路側の木が「4」、真ん中の木が「5」、ひかり幼稚園側の木が「6」としています。このうち、4の挿し木が比較的元気が良く、2がやや調子がよく、1がそれに続いています。3と5と6はたいへん厳しい状態です。公園にあったときの樹勢をほぼそのとおりに反映している感じで、公園があった当時は植えられた位置の差もあるのかなと思っていたのですが、もともとの個体差が出ているのかもしれないと現在では思っています。
 樹木のほか、在来種の草花であるトウバナとコナスビの苗を1株ずつ採取し、またチチコグサが生えていたあたりの土を少しだけ採取して、盆栽鉢に入れています。
 
 ずいぶん悩んだ上で、個人的にできる範囲のことを見定めながら採取したもので、このあとどうするかは自分の判断で決めたいと思っていますが、もし順調に生育したなら、できれば、今後新規に造られる公園か、現地に近い場所で育てていただける公的機関あるいは民間のどなたかに寄贈したいという希望を持っています。そして、これらの植物をごらんになっていたり、これらの植物の隣りで公園の時間を過ごされてきた地元の方々が、またこれらの木々や草花のみどりを楽しむことができるようになるなら、とてもうれしいです。
 昨年西春町・春町のソメイヨシノの枝で挿し木をしましたがまったく根付かず、自分の技量不足のせいかもしれませんが、今回もたいへん難しいだろうとは思っています。それでも、これまでの麦野公園の歴史をその身に刻んできた「生き証人」やその子孫たちに、ひとときでも長く、いのちを永らえてほしいと思っているところです。