2016年7月31日
※ この記事には現地現状(2016年7月31日時点)の写真を載せています。
今年4月に斜面移動の記事を載せた小川内の杉(佐賀県神埼郡吉野ヶ里町)のその後を見に行きました。
前回記事:小川内の杉(移植工事中)、そしてそのまわり【斜面移動の日:その1・その2】 http://d.hatena.ne.jp/sanchiroku/20160411/
いつものように福岡県の那珂川町側から国道を歩いて、福岡県・佐賀県県境の佐賀大橋のところまで来ました。
福岡県側から小川内の杉の方向を見ます。小川内の杉は写真に写っている斜面レール(撤去工事中のようです)のいちばん上に移されています。
前回記事に載せた斜面移動の日は、私は移動完了を見届けずに山を降りたため、この光景を自分の目で見るのは初めてでした。
ただ、写真でも小川内の杉がどこにいるかわかりにくいですが、この位置からでは肉眼でも見えづらかったです。木のこずえの、葉がない部分で見分けました。
飲み物を買いに、福岡県側の道路を歩いて、谷向こうの五箇山豆腐に行きました。ここのそばに工事関係の詰所があり、いろいろな工事の立て札が出ていました。
どうもアカガシの移植もする(した?)ようです。
道を戻り、佐賀大橋を渡って小川内の杉のところへ向かいます。
4月に見た旧東小河内の山桜はあおあおと元気にしていました(写真中央の木々のいちばん左側)。その手前(中央)にもみじの木があり、そしていちばん手前の木(右側)には赤い実のようなものがたくさんついていました。木の種類が何だろうかと双眼鏡で見てみましたが、自分ではちょっとわかりませんでした。
小川内の杉は移設先に据えられていました。
根元に緑の草が見えます。以前、小川内の杉のまわりには、私が住んでいる下界では見ないような山の草がいろいろ生えていました(山里ではふつうの草なのでしょう)。小川内の杉といっしょにこの場所で根付いてほしいと思っています。
杉は養生中ということで、ときどきホースから霧が噴射されていました。
ホースが引き回されている様子は病気の人のようでもあり、痛々しさもありましたが、日差しのなかで霧を浴びる杉の木は、なにか神々しさをまとっているようでもありました。
佐賀大橋から、小川内の杉がいた場所の旧小川内方向、旧佐賀橋の方向、そして山桜のいる旧東小河内方向を見ました。
すでにダムの工事は終わりに近付いていると聞いています。今年のうちには試験的にダムに水を溜めるということらしく、この写真に写っている一帯はいずれ水没することになります。
福岡にはこのダムが必要と考えている方も数多いのでしょうし、ゆくゆくこのダムの「便益」を受けることになる人たちがここの下流にいるはずですが、そうした方々をはじめとした福岡の方々が実際どのくらい、ダムに沈むこの土地を見知っておられるのか、私にはよくわかりません。
ほんとうなら現地でご自身の目で見ていただくことがよいのかもしれませんが、僭越ながらこの記事をとおして、この土地のこの光景がいくらかでも届けばと思っています。